吃音だった私が「ことばの教室」で知った他の子たちのこと

吃音

「自分だけが苦しいんじゃない」──この気づきは、私にとって大きな転機でした。

私は小学生のころ、吃音があり、人前で話すのがとても苦手でした。
そんな私が通っていたのが、ことばの教室でした。

この教室は、単なる支援の場ではなく、私にとって安心できる居場所であり、大切な気づきをくれた場所でした。

今回は、その「ことばの教室」での経験と、私が学んだことをお話しします。


「ことばの教室」で出会った、話す・聞くことに悩む仲間たち

普段は個別指導が中心の「ことばの教室」ですが、年に数回、通う子どもたちが集まって一緒に活動する特別な日があります。
調理実習やレクリエーションなどを通して、交流の機会が設けられるのです。

私が初めて参加したときは、とても緊張していました。
「うまく話せなかったらどうしよう」「みんなと仲良くできるかな」と不安でいっぱいだったのを覚えています。

でも、実際に参加してみると──驚きました。
そこには、話すこと・聞くことにさまざまな困りごとを抱えた子どもたちがいたのです。


困っているのは自分だけじゃなかった:みんなのことばと聞こえの違い

その日、出会ったのはこんな子たちです。

  • 言葉がなかなか出てこない子
  • 補聴器をつけている子
  • 発音が少し違う子
  • 聞き返しが多く、会話が続きにくい子

そして、吃音がある私のように、「話したくても話しづらい」と感じている子もいました。

「困っているのは私だけじゃなかった」
その事実に、私は救われた気持ちになりました。自分だけが普通と違うわけじゃない。みんな、それぞれ違う“しんどさ”を抱えていたのです。


ことばの教室は、話すことだけを練習する場所じゃなかった

「ことばの教室」は、話し方のトレーニングをするだけの場所ではありませんでした。

私にとって、何より大きかったのは、

  • 自分だけが違うわけではないと気づけたこと
  • 人にはそれぞれ違う課題や苦手があると実感できたこと
  • 違いを受け入れる大切さを学べたこと

この経験は、私の自己理解につながりました。
「みんなと違う」ことは、悪いことではない。そう思えるようになったのです。


保護者にとっても大切な出会いの場になる

この日の活動には、私の母も一緒に参加しました。
他の保護者と話したり、私が他の子どもたちと交流する様子を見たりする中で、母もどこか安心したような表情を見せていました。

吃音を含めて周りと異なる特徴を持つ子供を持つ親御さんも日々不安な気持ちがあるかもしれません。
同じ気持ちを抱える人と交流することは不安な気持ちを軽くしてくれると思います。


吃音や聞こえに悩む子ども・親御さんへ伝えたいこと

話すことが苦手だったり、聞こえづらかったりするのは、決して「あなただけ」ではありません。
私自身、ことばの教室での出会いがあったからこそ、自分を少し好きになれるようになりました。

同じ悩みを持つ人とつながること。
それは、「話す」「聞く」ことへの不安を和らげ、前向きになるための第一歩になります。

「ことばの教室」や、地域の言友会などは、そんな出会いを生む場所です。


最後に:悩んでいるあなたへ

もし今、あなたやあなたのお子さんが「話すこと」「聞くこと」で悩んでいるなら──

どうか知っておいてください。
あなたはひとりじゃありません。

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